いよいよ10月に入り、今年も残すところあと3ヶ月!?あっという間ですね。10月3日、4日は臨時休診とさせて頂きご迷惑おかけしました。しばらくは通常通りとなりますので、よろしくお願いします。
ということで無事に気仙沼から帰ってきました。3日の朝は雨が降っていたのでどうなるか?と思いましたが、気仙沼は曇りでした。メンバーと落ち合って新幹線で一ノ関に入り、そこからレンタカーで市内に向かい、現地コーディネイターの村上さんと落ち合いました。村上さんとは最初に所属していたボランティア団体で気仙沼を訪問してからお世話になり、もう6年ほどのお付き合いになります。
この日はM仮設住宅にお邪魔しました。ちょっと不便な山の中腹にある仮設住宅で、アラブの王様からプランターを頂いて、みなさんで植物を植えたりして話題になったことがあり以前お邪魔したときには非常に活気がありました。しかし現在は災害復興住宅に移った方が多く、仮設内はがらんとしており活気がありませんし物音も聞こえません。聞くところによると7所帯しか住んでおらず、普段使っていない棟の廊下はクモの巣だらけでした。
このM仮設住宅のお世話役をしている方お二人が集会場にいらして、お茶を飲みながら整体をさせていただきました。お二人ともすでにこの仮設住宅を出て公営住宅に引っ越されていますが、イベントや掃除のたびにこちらに来て管理されているようでした。お二人とも非常に明るく、前向きですが「身体の痛みも心の痛みも慢性化してしまった」という言葉が非常に重く響きました。特に心の痛みは形があるものではないので、ご自分の中でこれまであったことをどのように消化して納得できるか?にかかっています。お二人は慢性化して常にそういうものとして受け入れて前に進んでいる様に見えました。自分自身を守るためにはこの方法しかなかったのかもしれません。がちがちの背中を緩めながらこれまでのご苦労を指先で感じました。
夜は現地でずっとお世話になっている小野さんを招いて夕食会でした。気仙沼の魚貝類に舌鼓を打ちながら、小野さんのこれまでを聞かせていただきました。それこそ5年以上毎年会っていますが、毎回はじめて聞く話ばかりで、どれだけ濃い時間を生きてきたのか??と思わざるを得ません。そしてこれまで個人の資産を崩しながらも弱者を見捨てずに支援を続けている根源は「自分のためだから」というシンプルで深いものでした。長く続く気仙沼でも有名な商家に生まれ育ってきた小野さんは「本家を守る」という重大な責務を背負って生きてきました。親戚も含めて自分の周りの困っている人を本家が面倒を見るのが当たり前として生きてこられました。凛とされていて、筋の通った考えをもたれている小野さんの生き方は、いつ会っても心に響くことを伝えてくださいます。
話に夢中になっていましたが、今年は秋刀魚はちょっと不漁で脂が少なくさっぱりでしたが、カツオは脂が乗っており非常に美味しかったです。またハーモニカ(カジキマグロの背びれ部分)も脂が乗っていて非常に美味しかったです。